仕事を終えての時間、暗い街中を少し外れたアパートへ向かう。
道のりには寂れた家の数々と茂る小さな木々しかないような、そのさなかをかいくぐっていくとアパートがうっすらと見えた。
目線をアパート2階、真左から右へと送り、一番右側のとあるカーテンで仕切られた部屋の窓で視線を止める。
少しばかり顔がほころんだ。
がさがさと音がなるコンビニ袋を引っさげ、左ポケットの鍵を握り締めてアパートの階段へと足を運んだ。



「……ただいま。」
アパート2階の205号室。明かりはついていないが奥には人影が横になっているのがわかる。
「……寝ているのかな。」
暗闇の中、目をこらしてみると、リビングのカーペットの上で軽くブランケットをかけたまま、後ろ向きに熟睡している女性の姿が見える。
髪は長く、体系は華奢としており繊細で細身の体。リビングが窮屈なのか、時々うねりを上げながら体をもぞもぞと震わせている。
「……ただいま、耶千佳(やちか)」
「……すぅ……」
「……まだ寝ているのかな」
そっと横に座り、買い物ビニールを最寄のテーブルに置いてから顔を覗き込んでみた。


綺麗な寝顔だ。愛嬌があって、それでもって清楚さがある。
相変わらず、その顔を見るたびに心が満たされる。何事にも変えがたい至福のひと時だ。


右手を伸ばし、頭をなでてみる。もともとの髪質のせいか、髪は指の間をさらさらと通り抜けた。
その感触が心地よくて、幾度かなでてあげると、やがて寝返りをうってこちらを振り向いた。


「あ……久一(きゅういち)くん……帰ってたんだ…」
眠そうな目をこすり、静かに微笑んでくれた。
「うん、さっき帰ってきたばかりだよ。」
「おかえり…」
「ただいま。一応、コンビニで食べ物は買ってきたよ。後で一緒に食べようね。」
「うん……」
「昼間はどうだったい?」
「うん……なんにもなかったからずっと寝てたよ…。あ、1回新聞屋が来てた気がする…。」
「そうか、うちは新聞取らないから無視しちゃってかまわないからね。」
「うん……」
「具合は平気?」
「うん……、その、久一くん………」
「ん?……ああ、わかったよ」


「んっ……」


「……えへへっ」
「さあ、それじゃあご飯でも食べようか。起きられる?」
「うん……」


テーブルに足を回すと、それにあわせて隣に耶千佳が座る。
がさがさとコンビニ袋から出来合いのものを取り出して机に並べていった。


「それじゃあ、好きなの食べていいよ」
「うん……じゃあ……このサンドイッチ」
「…はい、どうぞ」
「うん…いただきます……」


サンドイッチの袋を丁寧に開けていって、大切そうに一口ずつほおばってく。
丁寧に租借を繰り返して、幾度目かの時に飲み込んでいく。そしてまた一口。
その食事の様子がとてもいとおしく、耶千佳の顔を見たままふと考え事をした。

──とてもいとおしい。だからこそ、この妹を守りぬいていかなければならない。一生。













妹の耶千佳のことを意識し始めたのは、自分が中学の頃だった。
当時小学生の妹は、客観的に見ても色白で可愛く、そして可憐であった。
もともと兄妹の仲は悪くなかったから、いつもわけ隔てなく接していた。
そのためか、自分達兄妹には嫌悪の情はなかった。むしろ、その逆の感情のほうがあったかもしれない。
それとなく妹と接していくうちに、内なる邪な煩悩は大きくなる。









そう、妹に恋をしてしまったのだ。









中学生であった自分に、その感情で胸と頭がいっぱいだった。
初恋が妹、ましてや今までずっと共に暮らしていた家族である。
家族であり、そして兄妹である。兄妹であるなら血がつながっている。
血がつながってるなら結ばれてはいけない。そんなことはわかっている。
だからこそ、辛く、思い悩んでいた。愛してしまったことに。恋してはいけない人に、恋をしてしまったことに。



それから自分は妹を出来るだけ避けることにした。
家であってもできるだけ会話を少なく、用件を減らして、目線をそらして接してきた。
感情の行き場はどこにもたどり着くことなく、自分の心を噛み千切るような毎日が続いていった。









そんな生活が1年続いて、ある日妹が自分に泣きついてきた。








「久一くん…どうして…私を避けるの!」










泣きじゃくりながら、必死に訴える。そしてそれに続いて








「───私、久一くんのこと…好きなのに!」








胸が釘で打たれたような衝撃だった。








そしてその一言を聞いた勢いで、自分も、思いを伝えてしまった。








それからさまざまな経緯があった後、自分達兄妹は愛し合った。
妹が中学を卒業しても、いつでも愛し合っていた。
好きだった、好かれてた。ずっといたかった、ずっといられた家が好きだった。
だからだろうか、世間や社会から目をそむけて2人で愛し合った結果、妹に悲惨な出来事が襲った。










家庭での、母と父との仲は険悪を増していた。
自分達2人が愛し合っていたことに2人して頭を悩ましていたのだ。
そうして頭を悩ました結果、両親は喧嘩し、次第に責任の押し付け合いと発展していった。





妹が高校の時、事件はおきた。
喧嘩につぐ喧嘩での家庭崩壊のストレスで参った父親が、実の娘の耶千佳に対して、力ずくで、押し倒した。













テーブルに強くひざ裏をぶつけたあざ。
悲鳴をあげようとしてはたかれた両ほほのはれ。
必死に抵抗して胸元を握り締めた手を強く壁に押しのけられた時の両手の打撲。
そして、必死に抵抗した結果の悲惨な運命。
残った絶望と悲しみ。




















すべてはそのときの後遺症。
















その後、母は警察を呼び父は逮捕。
多額の慰謝料をもらうが母はその慰謝料をすべて持っていって逃げていった。
















となりでむかしのようにほほえんでくれないいもうとがひとりのこされて、じぶんものこされた。

















それからだった、自分に強い誓いをした。
この妹をもう二度とこんな目に合わせないように、一生守ってみせる。そう誓った。

















おいしそうにサンドイッチを租借する耶千佳をみて、また自然と笑みがこぼれた。
あれからいくらか年月はたって、妹も少しずつ昔のように笑うようになった。
それが行動としては小さな、そして自分にとっては大きな幸せだった。

「……うん、おいしい……。久一くんも食べなよ…」
「あ……、うん。じゃあこれでも食べるよ…。いただきます」
はっとわれに返って食事を始める。
自分が食べ始めると耶千佳はこちらが食べるのをみてうれしそうに自分も食べ始めた。
たぶん、一緒に食べるという行動がしたかったのだろう。
食べてる横顔をそっと見ると目で微笑み返してくれた。


簡素な食事を終えて、自分と耶千佳はソファーに寄り添って座った。
隣では、耶千佳がうつむいた状態でうとうとしているようだった。
軽く肩を抱き寄せてみる。
わずかに優しく微笑んで、そして自分に寄りかかってきた。
耶千佳の優しい香りが鼻をくすぐる。
そのまま頭を撫でてあげると、とろんとした、眠そうな表情で微笑んだ。

「……眠いのかい?」
「うん……ちょっと…、でも……」
「うん?」
「久一くんと…もっと一緒にいたい」
「……うん」

可愛い。愛しい。いとおしい。
そんな風に言われてしまっては、もう耶千佳のことしか考えられない。
そのせいか、自然と強く肩を抱いていた。


「…久…一…くん……」


ねだるような目で、懇願してくる。
それだけで何を求めているのか即座にわかった。
どうやら兄妹というのは、何かしら似通った考え方をするものか。
いや、それとも自分がしたいだけか。そんなことを考えながら顔を近づけて



「……んっ……」


キッス。愛を感じるようにいつもより長く。


「……………」
「……………」


唇に触れるような軽いキッスを、20秒ぐらい。突如口の中に何かうごめくものが進入してきた。


「んっ!……んう…む……」
「んっ……あっ……あむ………」


舌だった。耶千佳の舌が進入してきていた。とっさに自分の舌を耶千佳の唇に入れて対抗した。


「んっ…あ…む…はぅ……」
「はっ……あむ………」


お互いの口内を嘗め回すかのように動かす。
右上へ、歯、歯茎の裏、余すところなくすべてを嘗め回すように唾液を交換し合い、混ぜ合わせてくねらせて、 舌を躍らせて、縛り付けて、散らばせて、なめさせて、なめてあげて、絡み付いて、まとわり付いて、そしてなまめかしく動かしあった。



「……はっ……はあっ……む……」
「…んむっ……ぷはぁ……」


唇を離すと2人の間に透明色の液体がかかる。口元からたれこぼれるそれは、耶千佳をより扇情的にうつした。


「久一……くん……」


そのまま耶千佳は身体を預けてきた。
手を自分の胸元に当てて、そっとこっちを見て、微笑んで。


たまらなく、いとおしい。


「……耶千佳」
「あっ…んん……久一くん……」

そっと耶千佳の胸に手を触れる。わずかにもれた嬌声に理性が揺らぐ。
そのまま胸を軽く揉む。手に収まるような小ぶりの乳房が、たゆたゆと弾む。
次第に手の動きを大きくしていき、しばしば真ん中の突起を紡ぐ。


「ひゃんん……ん…はぁ……」


そのたびに耶千佳が小刻みに体が震わす。
たまらず、両手の手で揉むようにすると、嬌声のペースが速くなっていく。


「…ん!…はぁ…はんっ……久……一くん……ひゃ!」


服の中に手をいれ、直に揉んでやる。服の上からとは違った自然なやわらかさが、手全体を覆っていく。
両胸に手を入れ、軽く揉む。次第に強く。時折突起をさわり、こすり、触れ、動かしてやる。そのたびに耶千佳の体が歓喜に震える。


「きゅ…久一くん……はぁ………はぁ…」


途中、耶千佳は自分の服を脱がせようとしてきた。それと同じくして自分も耶千佳の服を脱がせる。
布こすれの音響く。しばらくして互いに脱がし終えた。
自分の目に映る耶千佳の体。華やかで、細身があり、豊満で艶かしいところもあり、実に扇情的だった。


「…耶千佳……好きだよ……」
「うん…久一くん…好き……大好き……」


そっとキス。そして互いに舌を入れあいくちゃくちゃ。
愛し合うことを確認するかのよう、互いに口をむさぼりあう。


「ん…はぷ…んっ……んむ…」
「……はぁ……はぁ…んふ……むぅ……」


互いにむさぼりあう中、突如自分に刺激が襲い掛かる。
耶千佳の手が、自分の下半身のものへと手を伸ばしていた。
そして、撫で回すかのように手を動かし、小さく、小さく指でこするように刺激を与える。
わずかに響く快楽の電流が気持ちいい。その気持ちにこたえるかのように口の中の動きを激しくした。


「……んん!…むっ…はっ…んんん!」


ちゅるんと耶千佳の舌が抜ける。
激しくしすぎたせいか呼吸が苦しくなったようだ。


「…むぅ……久一くん………激しいよ……」
「うん…ごめん……その…耶千佳の手が…気持ちよかったから…」
「…そう。えへへ……」


うれしそうに、にっこりと笑顔になる。あのときからは考えられないほど、自然な笑顔だった。
そっと髪をなでてやる。ふわりとした髪の感触が指を通り抜ける。


「久一くん…好き……だよ……」
「……耶千佳……ん!」


自分の腕から頭をどかすと、耶千佳はかがみこんで自分のものをそっとなめ始めた。
ぺろっ、ぺろっと少しずつなめかかる。亀頭の先端を掌で包み、優しくしごくように動かし、その上を舌で濡らしていく。


「んっ…耶千佳……気持ちいい…よ……」


その微弱な快楽の並みに耐え切れず、快楽を体に震わせてると、耶千佳はうれしそうに、ペースを速めた。
掌の動きを次第に早くし、自分の物を口に含んだ。
口いっぱいにほおばると、舌でものの先端を円回転させるようになめ、裏筋を丁寧に嘗め回し、両手は握っているものの下の部分で上下にこすれあわせた。
気持ちいい。全身に快楽の電流が走る。小刻みに自分の体を震わせ、顔をしかめる。ふと耶千佳に目をやると、上目目線で、静かに扇情的な笑みを返した。
それから、耶千佳はペースをあげる。口内の粘膜を利用し、喉の奥で快楽を味わわせるかのように、頭を上下に揺らしてストロークを早める。
自分のものの上部が唾液で濡れそぼり、下部は上下にしごかれ猛烈な快楽が襲う。
気持ちい。気持ちいい。上下にゆれるたびにこすれて、ぬるぬるとした粘膜と口内での滑りあいが、しごきあいを感じるたびに震えて、心地よくて、射精感が迫って、目の前が真っ白になるような、薄れた、おぼろげな気持ちに襲われて、ゆられ、ゆられてうつむいて、目を瞑り、うねりをあげ、口から声が漏れ、それに微笑んだ耶千佳を見て、すべてが気持ちよくて、もう、気持ちよくてそして──。


「ん!耶千佳…で、出る!」


高まった射精感が、勢いよく飛び出た。耶千佳は両手で自分の物をささえ、口内の奥。喉でそれらを捕らえるかのように強く口に含んだ。
快楽の波によって放出されるたびに耶千佳の顔が顰める。勢いがいいせいか、それらがすべて出る前にむせてしまい、口からものを離した。
勢いあまるそれは耶千佳の顔にかかっていく。綺麗でかわいらしい顔が、白の粘液に犯されていく。


「…ご、ごめん耶千佳…大丈夫?」


こくっ、と頭を下げる。そして口内の液体を少しずつ飲むかのようにこくっ、こくっと喉をふるわす。
近くのティッシュで白く汚れた顔を拭いてあげる。非常に満足そうに微笑んで、色っぽくこちらを見つめてくる。


「うん……久一くん……久一……くん……」
「…耶千佳……」

手を自分の後ろに回して強く抱きしめてくる。息絶え絶えに、肩で呼吸をするほど興奮が高まっている様子だった。
そのまま耳のなめてみる。


「ひゃ!…あ……ん……」


嬌声の声を上げ、全身の力が次第に抜けていくのがわかった。
そっと耶千佳の秘所に手を伸ばし、軽くこすってみる。


「っひゃ……ああ……ん……」


わずかに震える。手をゆっくりと動かしていくと、濡れそぼったそこから蜜がたれてくる。
ねちょねちょと粘液を広げていくたびに、耶千佳の体が震えた。嬌声も次第に大きくなっていく。


「ひゃう…んはっ!……あ!……んんんん!」


たまらなくいとおしい。体液で濡れそぼるあそこに手をいれ、快楽を探り当てるように手を動かす。
ぴちゃ…ぐちゃ…と液体がたまのう音を部屋に響かせ、手はそこにあるわずかに硬い部分をひねりあげ、同時に耳をなめてあげる。
そのたびに震え上がり、声も大きくなり。我慢できないといった顔で乱れていった。
目線を合わせてもどこかうわのそらな耶千佳を見つめて、そっとキスをする。そのままむさぼるかのように熱情的に愛を交わした。


「はぅ…ううん……久一くん……」
「耶千佳……可愛いよ……うん、いとおしくてたまらない……」
「うん…久一くん………好きだよ………。お願い……きて……」
「………耶千佳……」


ここにきての妹の懇願の頼み、ゆらゆらとした目線。
顔は喜びと快楽、それと羞恥で紅にそまっている。
たまらなくいとおしい。
もちろん、こんなにいとおしい妹の頼みを断れるはずもなく───。




「…いくよ、耶千佳」
「うん……きて……」




耶千佳の上にかぶさり、そっと、自分のものを、耶千佳に近づけて…。


「んっ……」
「はい…ったね…」


互いの秘所が重なり合う。
自分のものに、耶千佳のものがうねりを上げて、定感覚でまとわり付く。


「ん…はっ…あっ…はう…!」
「…うん………気持ち・・いいよ…耶千佳…」


重なり合い、次第に揺らしていく。耶千佳の奥底へとそれがすべり込むたびに、嬌声の声が響く。
顔をゆがませ、快楽に身をゆだね、微弱な電流が走るかのようにゆれる。ゆれうごく。
互いに貪りあうかのように、求め合う。自分のものが奥へと行くと、先端での締め付けが激しくなる。
きゅっ、と、もの全体に感じる締め付けの感触が気持ちいい。動かすたびにそれぞれの箇所の強さが異なる。
だからこそ上下に揺れ動かすたびに、まとわり付いて、粘膜の潤滑油によってぬるっとした感触で滑りあって、あまりにも気持ちがいい。意識絶え絶え。吹っきれそうだ。


「うん…久一くん…好き…大好き…ずっと…大好き…だよ…」
「耶千佳………愛している……一生、守っていくからな…」
「うん…………」


微笑み返して、目元には雫がこぼれる。うれしさゆえなのか、快楽からなのかはわからないが、その笑顔がまたもやいとおしくてたまらない。
互いに感じあうように、ねっとりとまとわり付く上下運動を全身で行い、二人して愛を確認するかのように、唇をむさぼりあった。
それでも、下半身での動きは快楽を探り当てるかのように動き回り、ゆったりと、そしてねっとりと、艶かしく、艶やかに、動きあい、快楽が止まらない。止まらないからこそ動き回る。繰り返す。
ストロークを繰り返す。唇をむさぼりあう。求む。求め合う。手を耶千佳の胸元へ。ゆったりとこねくり回して、揉む。唇の下がわずかに痙攣。それでも動きをやめない。止まらない。動く。動く。動いて揺り動かして互いに吐息が漏れあう。耶千佳の表情から笑みが浮かび続ける。自然と自分も笑みがこぼれる。愛し合う。そして自分のものにせまる快楽と射精感は、限界に近づいていた。
あまりにも気持ちいい。いとおしい。そのすべての感情が、自分のものから、波を帯びて放出された。


「耶…耶千佳!」
「んっ!久一く…んんんんんんん!!」


止まらない射精と同時に、耶千佳の体が大きく震える。
互いに絶頂へと達したのだろう。
止まらぬ快楽とその余韻に2人でふるえながら、次第に体の動きを遅めていった。
全身に回る快楽への心地よい疲労を後に、そっと耶千佳の唇に触れた。
耶千佳は、とても、幸せそうな、昔のような笑顔で微笑んで、そしてそっと目を瞑った。









「…よっと」


アレから熟睡してしまった耶千佳を部屋へと運んで寝かせた。
寝言かどうかわからないけど、お姫様抱っこで運んでる最中にふと名前をつぶやいたのが、いまだにうれしくて、いとおしい。


「おやすみ、耶千佳」

軽くキス。そして部屋を去った。





リビングのソファーに座って、コンビニ袋からそっと缶コーヒーを取り出して飲む。
今思えばあれから幾年がたった。

自分はもう社会人。
一応自立をして自分で金も稼いで、こんな貧乏アパートだが家だってある。


「…これからも、ずっと守ってあげるからな。耶千佳……」


そっとカーテンを開けて月を見る。
わずかに雲がかかった朧月の光が部屋に差し込んでいた。


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